システム思考
状況を悪化させる3つの共通項
善意から行われたものであるにもかかわらず、結果的により悪い方向へ状況を変化させてしまうイニシアチブには三つの共通項がある。
- 根本的な問題ではなく、症状へ対処している
- 誰の目にも文句なしの策に映る
- 短期的には効果がある場合も多い
例
マラリアを撲滅したらペストが流行した
- DDTは史上最強の殺虫剤で、マラリアを媒介する蚊の撲滅には絶大な効果を発揮した
- ところが、DDTを散布した地域だけでペストが異常に蔓延していることが発覚した
DDTは、本当の意味で虫を殺す歴史上最初の殺虫剤で、第二次世界大戦中には発疹チフスやマラリアの発生を抑制するために莫大な量が散布されました。
DDTは極めて安定性の高い化学物質で土中でも分解されません。残留したDDTは、マラリアを媒介する蚊を撲滅したわけですが、DDTの毒性に対して耐性を持つゴキブリは体内にDDTを蓄積していきました。
そしてこのゴキブリを捕食したトカゲはDDTにより神経を冒されて酒に酔ったようになり、簡単にネコに捕食されるようになります。ところがDDTに耐性のないネコはバタバタと死んでしまい、結果、天敵であるネズミが大量に発生し、ペストが蔓延したのです。
解決策が新たな問題の原因にならないために必要な能力
より大きなシステムを捉える能力
- 複雑なシステム問題について関係者の共通理解を形成するために、各人が描く局所的な枠組みを包括する「より大きなシステム」を捉える力が必要
生成的な対話を促す能力
- 組織や個人からなる集団がそれぞれの異なる意見を本当の意味で聞き、互いの見ている現実を認知的だけではなく、感情的にも理解し合うことが欠かせない
リアクティブからアクティブへとフォーカスを移す能力
- 集団が、問題への対処に終始するのではなく、前向きな未来のビジョンを作り出すことができるようにファシリテートする力
老子の格言
悪いリーダーは、人々から蔑まれる。 良いリーダーは、人々から敬われる。 最高のリーダーは、人々に「私たちがやった」と言わせる。